漢方のお勉強

【ニキビ】に効く漢方についてまとめてみた!(薬剤師監修)

こんにちは。カフェありすの時間の管理人Aliceです。

まとめる前に、まず・・・難しい内容なので飛ばしながらご覧ください。

ニキビ(やアクネ)は専門用語で尋常性痤瘡といいます。思春期以降に発症する顔面,胸背部の毛包脂腺系を場とする脂質代謝異常(内分泌的因子),角化異常,細菌の増殖が複雑に関与する慢性炎症性疾患です。カンタンにいうと、毛穴にできた丘疹であり、皮脂等の分泌物がつまってできた丘疹を「白ニキビ」、たまった皮脂にアクネ菌が感染し炎症を起こしている丘疹を「赤ニキビ」と言います。化膿しやすいのは赤ニキビです。

上記;膿疱(黄ニキビ)

日本皮膚科学会ガイドラインでは、漢方薬の炎症性皮疹に対する有効性について、

『 C1ないしC2 炎症性皮疹に,他の治療が無効,あるいは他の治療が実施できない状況では,荊芥連翹湯,清上防風湯,十味敗毒湯を選択肢の一つとして推奨する。』

と記載されています。

黄連解毒湯,温清飲,温経湯,桂枝茯苓丸については,行ってもよいが推奨はしない.
荊芥連翹湯,清上防風湯,十味敗毒湯・・・ C1
黄連解毒湯,温清飲,温経湯,桂枝茯苓丸・・・ C2

【エビデンスレベルの分類】

I システマティックレビュー,メタアナリシス
II 1 つ以上のランダム化比較試験
III ‌ 非ランダム化比較試験(統計処理のある前後比較試験を含む)
IV 分析疫学的研究(コホート研究や症例対照研究)
V 記述研究(症例報告や症例集積研究)
VI 専門委員会や専門家個人の意見

【推奨度の分類】

A ‌ 行うよう強く推奨する(少なくとも 1 つの有効性を示すレベルIもしくは良質のレベルIIのエビデンスがある).
A* ‌ 行うよう推奨する(A に相当する有効性のエビデンスがあるが,副作用などを考慮すると推奨度が劣る).
B ‌ 行うよう推奨する(少なくとも 1 つ以上の有効性を示す質の劣るレベル II か良質のレベル III あるいは非常に良質の IV のエビデンスがある.
C1 ‌ 選択肢の一つとして推奨する(質の劣る III~IV,良質な複数の V,あるいは委員会が認める VI のエビデンスがある).
C2 ‌ 十分な根拠がないので(現時点では)推奨しない(有効のエビデンスがない,あるいは無効であるエビデンスがある).
D ‌ 行わないよう推奨する(無効あるいは有害であることを示す良質のエビデンスがある).

参考文献;常性痤瘡治療ガイドライン 2017 https://www.jstage.jst.go.jp/article/dermatol/127/6/127_1261/_pdf

西洋医学の治療には抗菌薬の外用薬・内服薬、圧出(皮脂を専用の器具で押し出す治療)、ビタミンC服用、トレチノイン治療、ケミカルピーリングなどが挙げられます。特に抗菌薬の塗り薬を使用することは、上記のガイドラインでは抗菌薬の外用薬は推奨度Aで「強く推奨」とされています。ただ、これらは対処療法なので一時的にニキビが改善されても、ニキビになりやすい体はそのままのため、再発もあるかもしれません。ニキビ対する漢方薬での治療はガイドラインではC1ないしC2です。漢方は対処療法とは異なり、ニキビができやすい・肌の炎症を起こしやすい根本的な原因を探り、自分に合った漢方薬をチョイスします。個人的には西洋薬の治療と体質改善の治療をうまく組み合わせても良いと考えています。

本治療・・・今の症状の原因を作っている体質を改善するための治療

標治療・・・「症状」を抑えるための治療

ニキビの本治療・・・便秘などのお腹の症状、胃腸症状、冷え、血行不良などの体質改善

ニキビの標治療・・・ニキビの炎症=漢方における「熱」であり、「熱」を抑える清熱剤を用いる

参考文献;ツムラ https://www.tsumura.co.jp/kampo/nayami/acne01.html

さて、本題の漢方薬のお勉強です。

荊芥連翹湯,清上防風湯,十味敗毒湯・・・ C1

※ガイドラインでは上記の3つがニキビ治療で選択肢の1つとして推奨されています。

漢方治療まとめ

体力中等度以上。炎症が強く、皮膚局所が赤く隆起。顔面赤い。便秘傾向。

→ 清上防風湯(せいじょうぼうふうとう) C1(構成生薬の中に黄連解毒湯が含まれ、清熱・解毒作用あり)

月経痛や月経不順あり、月経前に特にニキビが悪化

体力中等度以上瘀血の徴候(下腹部痛、月経困難、細静脈怒張等)→ 桂枝茯苓丸加薏苡仁(けいしぶくりょうがんかよくいにん)

虚弱女性え、むくみやすさ、貧血傾向あり → 当帰芍薬散(とうきしゃくやくさん)

体力中等度以上で①や②が無効、皮膚が浅黒い人のニキビ、化膿しやすい、鼻炎、副鼻腔炎、扁桃炎のいずれか併発する例

→ 荊芥連翹湯(けいがいれんぎょうとう)C1

体力中等度以上、化膿傾向をもつ丘疹(毛包部に小膿瘍多発している例など)で膿疱形成初期の段階 

→ 十味敗毒湯(じゅうみはいどくとう)C1

体力中等度以上、  〃    患部の炎症強く、発赤腫脹を伴う化膿症

→ 排膿散及湯(はいのうさんきゅうとう)   

便秘がある人

上記のいずれの場合でも、便秘をしていれば、大黄(ダイオウ)を含む漢方薬(大黄甘草湯、桃核承気湯、防風通聖散、大承気湯などを併用し便通を改善させる。また大黄には抗菌抗炎症作用がある。

胃腸虚弱者 (証)

補剤(補中益気湯十全大補湯など)で全身状態を改善させる。

まとめは以上です。※すべてではありませんのでご注意ください。

私は日頃ニキビ相談をよくお受けします。10代の頃の自分もニキビに大変悩まされ、鏡を見ることや、撮影された写真をみることが嫌でした。当時私は一時期漢方薬を調合してもらうとニキビが少し落ち着き、月経でも普段より瘀血傾向が減少したように感じていました。服用を続ければもっと楽に過ごせたと思っています(10代の頃の体験話)。今はニキビ治療薬も進化しています。西洋薬と漢方薬を上手に利用してニキビを治療していきましょう。

参考文献

常性痤瘡治療ガイドライン 2017 https://www.jstage.jst.go.jp/article/dermatol/127/6/127_1261/_pdf

ツムラHP https://www.tsumura.co.jp/kampo/nayami/acne01.html

女性のための漢方薬 稲木一元、松田邦夫 共著(中外医学社)p69-71

漢方常用処方解説(高山 宏世 著)p90-91、p98-99、p102-105 

 

 

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