一番多い貧血「鉄欠乏性貧血」とは?
体内の鉄の約2/3が、酸素を組織に輸送する赤血球のタンパク質であるヘモグロビン中に存在しています。赤血球中にあるヘモグロビンはミネラルの1種である鉄を材料にしています。鉄が体内で不足して起こる貧血を「鉄欠乏性貧血」といいます。貧血の9割以上が鉄欠乏性貧血です。若い女性に多い貧血です。WHO(世界保健機構)では鉄欠乏症が世界で最も多い欠乏症と考えられています。鉄欠乏症はじわじわ発症します。鉄の1日摂取量に足らない状態が続くと、体内の鉄バランスが崩れます。初めのうちは貯蔵鉄から利用していくので、体内の鉄の状態を判断するマーカーである血中ヘモグロビン濃度は正常値を示します。鉄欠乏性貧血は、貯蔵鉄がとうとう不足してしまい、血中鉄濃度が1日必要量を満たすことができなくなった時に発症します。このとき、血中ヘモグロビン濃度が正常値未満となっています。(鉄欠乏性貧血状態)
体内に吸収されやすい鉄はどっち?

食事由来の鉄は「ヘム鉄」と「非ヘム鉄」に大別されます。
ヘム鉄の方が腸管で吸収されやすいですが、食事由来の鉄の多くが非ヘム鉄です。
- 「ヘム鉄」・・・主に赤身肉や鶏肉、魚など元々ヘモグロビンを含む動物性食品に含まれる。赤血球のヘモグロビンに由来する。水溶性でイオン化しやすく、吸収率が高い(約25%)。
- 「非ヘム鉄」・・・植物性食品(野菜など)、卵、乳製品などに含まれる。これが鉄分補強・強化食品に添加されている鉄。摂取後、吸収率が低い(約5%)。非ヘム鉄を吸収するためのコツは、良質なタンパク質やビタミンCを多く含む食品と一緒に摂取すること。
動物性食品を食べた方が効率的に吸収の良い鉄分を補えるのですね。
貧血予防にはタンパク質も大切
貧血の中でも鉄欠乏性貧血は多いのですが、鉄剤を服用しても貧血が改善しない場合があります。それは血をつくる材料であるタンパク質不足が原因になっています。
高齢の方や、ダイエット中の方、不規則な食生活の方はタンパク質が不足しがちです。また、月経のある女性は特に血液が不足しやすい状態です。1回の経血量は20~140mlといわれており、毎月3~7日間、血液を失っています。ヘモグロビンも含まれるので、構成成分である鉄とタンパク質も共に体外へ出て行きます。
妊婦も鉄が必要です。
以上、書きたかったのはここまでです。
(以下は自分があとで参考にするために載せているものです。)
健康な成人であれば食事由来の鉄の約10%~15%が吸収されますが、吸収はいくつかの要素から影響を受けるため、個人差があります。
鉄吸収量に最も大きく影響するのは鉄貯蔵量である。鉄吸収量は体内の鉄貯蔵量が少ないと増加する。鉄貯蔵量が多ければ、過剰摂取による毒性作用を防ぐために吸収が低下する。鉄吸収量は摂取した食事由来の鉄の種類にも影響を受ける。食肉タンパク質由来のヘム鉄は効率よく吸収される。ヘム鉄の吸収率は15%~35%であり、食事内容による影響をあまり受けない。一方、米、トウモロコシ、黒豆、大豆、小麦などの植物性食品に含まれる非ヘム鉄の吸収率は2%~20%である。非ヘム鉄の吸収率は、食品中のさまざまな成分によって大きく左右される 。
食肉タンパク質およびビタミンCは非ヘム鉄の吸収を向上させる。タンニン(お茶に含まれる)、カルシウム、ポリフェノール類、フィチン酸塩(豆科植物および全粒穀物に含まれる)は非ヘム鉄の吸収を低下させる。大豆に含まれるタンパク質の一部も非ヘム鉄の吸収を阻害する。1日あたりの摂取量が推奨量に満たない、鉄損失量が大きい(経血量が多いなど)、鉄必要量が大きい(妊娠中)、植物性の非ヘム鉄源に限って摂取する場合、非ヘム鉄の吸収をよくする食品を食事に取り入れることがきわめて重要である。
引用 http://www.ejim.ncgg.go.jp/pro/overseas/c03/07.htm
鉄の食事摂取基準値は?

参考文献 https://www.mhlw.go.jp/shingi/2009/05/dl/s0529-4aq.pdf
鉄欠乏症を防ぐために鉄の補充が必要なのはどのような人か?
鉄の補充効果が最も高いと考えられるのは次の3集団で、鉄必要量が高い集団、鉄を損失しやすい集団および鉄が正常に吸収されない集団である。このような集団には、以下のような人が該当する[1,36-38,41,49-57]。
・妊婦
・早産児および低出生体重児
・生後6カ月以上の乳児および幼児
・10代女児
・妊娠可能年齢の女性、特に経血量が多い場合
・腎機能障害患者、特に定期的に透析を受けている場合
・消化器疾患により鉄吸収不良が認められる患者
引用 http://www.ejim.ncgg.go.jp/pro/overseas/c03/07.html
胎児の成長や母胎の健康を維持するために、栄養素の必要量が増加する。妊娠中は血液量や胎児の鉄必要量が増加し、出産時には血液を損失するため、妊婦の鉄必要量は妊娠していない女性の約2倍になる[16]。
鉄サプリメントの鉄分の割合[65]
鉄補充剤には、第一鉄と第二鉄の2種類があります。鉄補充剤のなかで最も吸収率が高いのは、第一鉄塩(フマル酸第一鉄、硫酸第一鉄、およびグルコン酸第一鉄)である[64]。鉄分とは、サプリメントに含まれる吸収可能な鉄の量である。図1に、サプリメントに含まれる鉄分の割合を示す。
鉄投与量が増加すると鉄吸収量は減少する。このため、通常は処方された鉄サプリメント1日分を一定間隔で2~3回に分けて摂取することが望まれる。
鉄と激しい運動
ジョギング、競泳、サイクリングなどの激しい運動を定期的に行っている男性および女性の多くでは、体内の鉄量が基準値ぎりぎりであるかまたは不足している[1,81-85]。この説明として、ランニング後の消化管失血や赤血球の代謝周期が加速することなどが考えられる。また、ランニング中に足の中で赤血球が破裂する可能性もある。従って、定期的に激しい運動を行う人の鉄必要量は30%増加すると考えられる[1]。
鉄不足や鉄欠乏症のリスクが高いアスリート(運動選手)集団は、女性アスリート、長距離走者およびベジタリアンのアスリートの3集団である。このような集団に該当する人は、推奨量の鉄を摂取し、鉄吸収を促進する食事因子を意識することが特に重要である。適切な栄養介入によって、正常な鉄量を維持できない場合は、鉄補充療法が必要かもしれない。女性水泳選手を対象としたある試験では、1日あたり硫酸第一鉄125ミリグラム(mg)を補充することで鉄不足が予防できたことがわかった。対象となった水泳選手らの鉄貯蔵量は適正に維持され、高用量の鉄を補充した際に発現することが多い消化器系の副作用は認められなかった[86]。
引用 http://www.ejim.ncgg.go.jp/pro/overseas/c03/07.html
